ネットフリックスの2020年1-3月期決算
・新規会員数は1,577万人で事前予想847万人を86%上回るサプライズ。
・4-6月期の新規会員数の見通しは+750万としているが上振れ余地はかなり大きい。
・4-6月期の売上高予想は前年同期比+23%の60.48億ドル。
・コンテンツ製作中断によりキャッシュフローは改善。2020年のキャッシュフロー予想はマイナス30億ドルから10 億程度に縮小する可能性がある。それがいいとは限らないが。
・1.5億ドルをハリウッド支援のために拠出。
巣ごもり銘柄の代表格として誰もが注目していたネットフリックスの決算。期待通り売上高は前年同期比+28%の57.7億ドルとかなり上振れしたが、さらにすごいがウォール街の予想中央値57.6億、ファクトセットの予想57.5億ドルがいずれもわずかな誤差なのはさすが。やっぱ米国の株式市場は時にむちゃくちゃの事もあるけど圧倒的に効率的。
決算を受けて時間外では一時+10%近く上昇する場面もあったが、しばらくするとマイナスに転じた。昨日までの株価の動きを見れば好決算が織り込まれていた可能性は十分は高い。しかし1-3月期はコロナ問題の影響はまだまだ限られており、同社がこの4-6月期にさらに契約者を伸ばすことは確実だろう。しかしネットフリックス自らが言うとおりいずれ外出制限が緩和されれば急速に伸びた需要は後退するリスクを抱えている。
同社の長期的な成長にケチをつけるわけではないが、もともとコロナ問題がなければ新規参入組のディズニーやアップル、NBCユニバーサル、HBOなどのライバルとの熾烈な競争が予想されていた。ネットフリックスから番組を引き上げる動きも加速しており、同社はさらにコンテンツ制作や番組調達のコストが膨れ上がるだろう。同社が抱える本質的な問題は、新参者との競争であり一時的に発生した爆発的な需要はそれを見えにくくしているが、いずれ向き合わなければいけないだろう。