注目の米国を紹介(PINS、HUBS、PYPL、NOW、ADSK、PTC、NCNO)
2021年注目米国株
— Nave (@Nave_tweets) January 22, 2021
オートデスク(ADSK)継続
PTC(PTC)新規
ピンタレスト(PINS)継続
ペイパル(PYPL)継続
ハブスポット(HUBS)継続
サービスナウ(NOW)継続
エヌシーノ(NCNO)継続
いずれも業績好調で、バリュエーションも妥当であることから注目している。直近発表された20年10-12月期決算はペイパル、サービスナウ、ピンタレスト、ハブスポット、PTCその全てが十分な内容だった。残るオートデスクは2/25、エヌシーノは3/1に11-1月期決算を控えているが、引き続き好決算が期待される。市場予想は別として、個人的にはいずれもトップライン成長率が20%を超えると見ており、かつ予想PSRはエヌシーノを除けば9〜22倍と過大ではない。
長期投資に求められるスキルは、企業のビジネスモデルと決算を徹底的に分析することに尽きる。短期的にはランダムな株価も、長期で見ればほぼ企業業績に連動するからだ。また「成長」は全てを正当化する最も重要なファクターであるが、バリュエーションを軽視するとリターンは大きく損なわれるため一定の線引きは必要だろう。倍々で伸びる時期が過ぎれば、PSRで40倍を超えるのは危険だと思う。
時価総額
ペイパル(PYPL)3,406億ドル
サービスナウ(NOW)1,129億ドル
オートデスク(ADSK)661億ドル
ピンタレスト(PINS)540億ドル
ハブスポット(HUBS)239億ドル
PTC(PTC)167億ドル
エヌシーノ(NCNO)73億ドル
※2/18終値ベース
21年度予想売上高/成長率
ピンタレスト(PINS)25億ドル(+47.7%)
ハブスポット(HUBS)11.7億ドル(+32.5%)
サービスナウ(NOW)57.4億ドル(+27.0%)
エヌシーノ(NCNO)2.5億ドル(+23.1%)
PTC(PTC)17.1億ドル(+17.3%)
ペイパル(PYPL)256.7億ドル(+16.7%)
オートデスク(ADSK)43.0億ドル(+14.4%)
※2/18時点の市場予想
売上高成長率 過去3年/過去5年
ピンタレスト(PINS)+53.0%/N/A
ハブスポット(HUBS)+32.9%/+37.1%
サービスナウ(NOW)+33.1%/+35.1%
ペイパル(PYPL)+18.3%/+14.6%
オートデスク(ADSK)+21.7%/+8.2%
PTC(PTC)+7.8%/+3.0%
※リターンは年率で、CAGRにより計算
予想PSR
PTC(PTC)9.78
ペイパル(PYPL)13.27
オートデスク(ADSK)15.38
サービスナウ(NOW)19.67
ハブスポット(HUBS)20.49
ピンタレスト(PINS)21.62
エヌシーノ(NCNO)29.4
※2/18時点の市場予想
ハブスポット(HUBS)とピンタレスト(PINS)の力強い成長は特に魅力的だ。いずれも属する市場規模が巨大で、まだまだ成長の余地はある。取り上げた企業の中ではバリュエーションが高いが、現在のマーケット環境と成長率からすると十分に価値がある。
またDXの代表格であるペイパル(PYPL)はいずれGAFAMに次ぐ規模になるだろうし、サービスナウ(NOW)は時価総額が1,000億ドルを超えた今も勢いが衰える気配はない。大型セクターでは特に魅力的な2社だ。
直近の記事でも書いたが、個人的にはPTC(PTC)やオートデスク(ADSK)などのエンジニアリング向けソフトウェア企業は過小評価されていると予想しており、個人的には狙い目だと思っている。最後にエヌシーノ(NCNO)関しては市場予想は驚くほどに低いと思っている。
まとめ
当記事のようにトップラインを重視した分析には欠点があり、特に利益の質について検証できていないことにはご留意いただきたい。またあくまで個人的な見解に基づくものであり、内容を保障するものではない。
情報のインフラが乏しかった時代には、現在のようにゲームを根底から変える術もなく、先行者利益、参入障壁、規制が機能してブランドは長くその価値を維持することができた。しかし今は違う。インターネットやクラウドのインフラが浸透し、AIやビッグデータと結びつくようになりイノベーションは加速している。さらにコロナ問題はアナログで変化を嫌う人々にも強制的にDXを受け入れざるを得ない状況を作り出している。
こういった社会環境の急速な変化は、配当利回りや割安さなど目の前の価値に重きを置いてきた投資スタイルを時代遅れにし、変化を捉えるスキルにこそ大きなマネタイズの機会を与えてくれるだろう。それがソフトウエアやクラウド、インタネット企業群に注目する最大の理由だ。
しかしいくら変革の時代だとしても利益どころか売上すらない空想を正当化するものでもなく、根拠のない過大なバリュエーションを正当化するものでもない。ましてやマネーゲームに興じて安易なモメンタムや短期的なブームに乗ることではない。時代に則したビジネスで持続的な成長を遂げる企業を探し出し、忍耐を持ってそれを保有し続けることで叶えられるものがある。当ブログでは引き続き成長企業の長期投資が、いかに破壊力を持つかを検証していきたいと思う。