新型コロナウィルス問題を契機にした株式市場の大幅下落が続いている。間もなく始まる米国市場を前に、先物は5%下げて投資家を恐怖に陥れているがここは冷静な対応が必要だろう。
Bloombergによるとゴールドマン・サックス米国株チーフストラテジストのデービッド・コスティン氏は11年続いた米国株式の強気相場は近く終了すると予測。同氏はS&P500は年央までに2,450に下落すると予想。
株価が下がると悲観的な予想が出るのは世の常だが、S&P500はちょうど1年前からの上昇分を全て失っただけだ。あと12%程度下げると、利上げ後にマーケットが暴落した2018年末の水準にまで落ちる計算になる。
業績と株価を天秤にかけて投資をしている人ならば、過去1年間の上昇分が吹っ飛んだとしてもあまり動揺はしないはずだ。何故なら昨年は企業利益がほぼ横ばいにも関わらず、3割近くも株価が上昇したことが異様なのだ。FRBの利下げによってPERが急上昇しだけで、企業業績が追いつかなければコロナ問題がなくともいずれ剥げ落ちていた。事実、中国株よりも米国の下げがキツイのは、下落の本質がバリュエーションの調整にあることが分かる。
強気相場も11年となり、もしかしたらゴールドマンのストラテジストが言うように景気後退局面に陥るかもしれない。ただしマーケットの上げ下げのタイミングなど予想困難であり考えるだけ無駄だ。我々は粛々と企業業績にだけ注目して成長株の発掘に全力を尽くせばいいのである。またはマーケットを一切見ず、毎月インデックスの積立を継続すればいい。
2020年の米国株式